東日本大震災の災害対応を迫られる中で直面した課題を抽出し、見直しを行うべき項目を整理したものです。見直すべき項目は緊急的、中期的取り組みを合わせ33項目、事業総額は10億円規模です。
緊急取り組みとしては、地震と水害といった複合的災害における被害想定を明確にし、状況に応じた避難行動計画をつくる、防災情報の的確な提供、避難所の見直し、防災行政無線の難聴地域解消、乳幼児や病人のためのペットボトル水の備蓄など。すでに震災直後から私たちネットとしても指摘してきたことです。
また、区内被災者への支援も明記されました。東京都土木技術支援・人材育成センターが公表している「東京の液状化予測図」では、液状化が発生しにくい地域とされてきた清新町で起こった液状化被害について、地盤修復が必要な戸建住宅について、その3分の2を区が助成することについてはすでにお伝えしましたが、ライフラインの復旧が必要な分譲マンションについても、その費用の3分の1を助成することになりました。該当するマンションは5棟あります。
区内へ避難された被災者の方々への支援としては、各事務所に相談窓口・情報コーナー開設、避難車両に区施設駐車場提供、生活一時資金の支給、自転車無料貸し出し、駐輪場使用料免除など。
そして、最後の項目に「区民に正確でわかりやすい情報提供をします」とし、「放射線量の情報提供」をやはり緊急取り組みとして盛り込んでいます。「都と連携して」という文言付きで。
23区で現在区独自の情報提供を未実施または検討中なのは6区。今回の東京都の100か所測定結果を見ても、これまでのところ最も数値が高いのが葛飾区の小学校で検知された0.2μ㏜(地上1m、5cm地点は0.19)、次いで江戸川区の小岩小学校の0.15μ㏜(地上5cm、1m地点は0.13)。東京東部の数値が高いのは明らかです。東京都は、データ公開とともに、なぜ高いのか、その理由をきちんと説明することが必要です。
東部5区で独自測定と公開を決めていないのは江戸川区だけ。都は、現在貸し出し中の「シンチレーション式サーベイメータ(小型)DoseRAB2 PRM-1200」(1台20万円)70台に加え、今後、現在都職員が測定に使用している一台60万円相当の高精度測定器も30台増設し、自治体に貸し出します。
区が自ら謳った緊急対策の緊急取り組み、早急に実行すべきです。