市町村初の「ストップ温暖化条例」可決・埼玉県嵐山町で

市民と議員の条例づくり交流会議もサポート

私も運営委員を務めている「市民と議員の条例づくり交流会議」では、全国的なテーマである「低炭素地域づくり」のために、各地での条例制定をめざすプロジェクトをすすめてきました。テーマは全国共通でも、まちの特性によって取り組み方は当然異なってきます。そこで、条例制定を目指す自治体を個別にバックアップすることとし、埼玉県嵐山町からのオファーを受け、まちをあげての取り組みをサポート。このたび「緑と清流・オオムラサキが舞う嵐山町ストップ温暖化条例」が全会一致で可決、9月から施行されることになりました。議員提案による、この分野の条例は市町村では初めてのことです。

CO2排出量の削減目標値を「嵐山町ストップ温暖化地域推進計画」に定め、町、町民、事業者の責務を明記。CO2排出量の管理をしやすいよう「嵐山町エコシステム」を策定、地産地消の推進、再生可能エネルギーの活用、建物に関するエネルギー対策、交通対策を盛り込み、公募町民を含む「ストップ温暖化推進委員会」が進行を管理、議会の関与も明記されました。

昨年の環境自治体会議の第9分科会で、このプロジェクトの一員として「低炭素地域づくり条例」について発表しました。(当日資料はこちら)今回の条例制定をプロジェクトメンバー一同、喜んでいると同時に、制定後のフォローアップについても今後話し合うことになっています。第二、第三の条例制定につなげていきたいものです。

本条例づくりのポイントとして「自治体事務事業の低炭素化の義務付け」を提案。CO2をたくさん出す上下水道事業、廃棄物焼却、道路整備、公共施設改築などをあげたところですが、東京における多量のCO2排出源である東京23区の清掃工場では、電力不足対策として、この夏、焼却熱による発電に伴う売電量を計画の2倍近く、最大9.6kwに引き上げるといいます。補修工事を延期して休炉を減らす、日中のごみ投入量を増やすことなどによるもの。これで3万世帯分を賄える計算ですが、発電量を増やすということは焼却量を増やすことであり、CO2のさらなる増加につながります。節電の機運は確実に高まっています。声高に言われる電力不足もどこまでが真実なのか・・。温暖化対策、リサイクル意識にブレーキをかけることのないよう、注意も必要です。

東京都はこの8月から3年間かけて、岩手県、宮城県の50万tの瓦礫処理をすることとし、今年は16万tを計画しています。23区の清掃工場、民間の産廃施設などが受け入れることに。災害後の処理としてこれはこれで重要なこと。環境対策に万全を期すことが求められます。

さて、自然災害の甚大な被害に加え、人災である原発事故による放射能汚染が広がる中、坂本龍一さんらが呼びかけ人となって「さようなら原発 1000万人アクション」が始まっています。また、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所 所長)、宮台真司さん(社会学者)らが呼びかけ人となって「みんなで決めよう『原発』国民投票」の運動も本格化します。生活者ネットが訴えて続けてきた脱原発の動きが加速しています。