多くの区民の声にようやく応えることになり、まずは一歩前進です。が、23区ではとっくに独自測定を決定した区が多数。近隣の足立区や江東区はすべての学校や園、公園での実施に加え、プール測定も。墨田区も、大気中の測定は決められた場所とはいえ、やはり時節柄学校プールの測定を実施することに。
今頃19箇所のみの決定では、ニュースにも取り上げられません。この判断の遅さはどうしたことでしょう。区民の声に余りに鈍感であり、区民ニーズに応えようとする姿勢に問題があると言えます。
公共の事業は平等が原則。19箇所で実施すれば、大勢は判明する、ということでしょうが、19の中に入らなかった学校や園の保護者はこれで納得するはずもないでしょう。
復活した小中学校での学力到達度テストも、当初は区内106校中25校を抽出して実施していました。これで傾向はわかるものの、受けた子どもが個別評価を返されるのに対して、受けていない子どもはそれがなく不平等、また、他校や区としての結果分析を知らされても、うちの学校としてはどうなのか、という思いがあることから、結局全校実施することになりました。考え方はこれと同じでは? 過去の事例が活かされていない?
子どもに関する施策については、このところ、外堀を埋められてからようやく重い腰を上げるというカンジ。
これまでも、区の子ども施策がすでに充実していることと家庭での健康管理の重要性から「中学生の医療費は無料化しない」、発達段階にある子どもの体への影響から「学校にクーラーは付けず、扇風機で対応する」「防犯ベルの携帯は公ではなく、家庭が責任を持って行うべきこと」と、当初、それ相応の理由を示し、信念を貫くかと思えたものの、いずれも他区に遅れをとって実行することに。
次は、区内の事業運営に11億円もを拠出していることと家庭保育とのバランスに鑑み、これ以上は必要ない、としてきた「認証保育所の保護者への直接補助」の実施でしょうか? 外堀は埋まっています・・。
さて、20日(月)に区長主催で実施した研修会「放射能のひみつ」の講演内容について、新村さんが江戸川ネットのHPで報告していますので、ぜひご覧いただければと思います。
私が気になったのは、大人と子どもの被曝量について言及がなかったこと。子どもの感受性が強いことは知られていますが、京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんによると「同じ量の放射線を浴びた場合、子どもは大人の4倍の危険を負う」。さらに、子どもはこれから生きる年数が長く、放射能を受け続ける結果の積算量も当然増えていきます。中川先生から示されたあの数字で、子どもも本当に大丈夫と言える?
「ひみつ」の前に、「常識」の共有を。