清掃工場での放射能対策を

江戸川区でもさらなる取り組みを

 東京23区清掃一部事務組合が、21清掃工場の焼却処理で発生する灰について、福島第一原発の事故による放射能濃度(ヨウ素・セシウム)を調査したところ、江戸川清掃工場の飛灰(ひばい)から国の基準値8000㏃/kgを超える高濃度、9740㏃/kgが検出され、工場内に一時保管される事態となっています。お隣りの葛飾も6610、新江東4850、足立4280と、やはり東京東部で高い数値が検出されました。最も低い値が豊島の1000㏃/kgです。

 主灰(しゅばい)は、ごみ焼却後に炉に残る灰。飛灰とは、処理の最終行程において、ろ過集じん器(バクフィルター)で捕集した排ガスに含まれるダスト(ばいじん)。ろ過集じん器は、水銀やダイオキシンなどを大気中に放出しないための最後の砦です。 そもそも、清掃工場では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、放射性廃棄物は当然焼却の対象とはなっていないので、ろ過集じん器と言えども、ヨウ素やセシウム対策の設計がなされているものではなく、大気中への放射能漏れのリスクは否定できません。工場内で働く方々の内部被ばくも懸念されます。

 それにしても、なぜ、江戸川がこんなに高いのか。臨海町にある都の葛西水再生センターも、都内センターの中で最も高い値が出ました。これについては、最下流域の濃度の高い汚泥が、さらに処理過程において濃縮された、と理解できますが、主に一般の家庭ごみを処理している清掃工場でなぜこのような差が出てしまうのか。

  ひとつの理由として考えられるのが、ごみの組成です。
  水と緑の豊かな江戸川区では、河川敷などで刈り取られた草木や、植木ごみが多いのが特徴のひとつ。都心にある工場とは、ごみの中身も違ってきます。

 今回のことを受け、清掃一組が各工場の施設の東西南北の境界での空間放射線量率測定を実施したところ、江戸川工場境界では、東0.21μ㏜/h、西0.23、南および北0.24と、先日の都の一斉測定で区内最高となった小岩小学校の0.15μ㏜/hを大きく上回りました。

 17日のサイトで、すでに23区の清掃工場が、今後被災地の瓦礫処理を行なうことに伴い(直近の予定は宮城県宮古市)、環境対策を万全にすべき、と指摘しましたが、地元分の焼却処理ですでにこうした状況を生んでいたことは、とりもなおさず、放射能汚染の広がりを物語るものです。
  放射能に対応するフィルターの新たな設置はもちろんのこと、瓦礫の受け入れ時には慎重な燃焼実験が必要です。今夏の電力不足に備え、ごみ発電で寄与することにもなっていますが、この事態を踏まえると、焼却によるごみ発電の是非も問われるところです。

 また、江戸川区としても、放射能対策のさらなる取り組みを検討すべきです。