ここで、懸念されるのが、エコセメントや溶融スラグを地盤改良材などに使うこと。23区清掃一組では、電力使用制限令の解除を受けて、9月23日から灰溶融施設も順次稼働させています。それでなくても利活用が進んでいなかった溶融スラグを、これまでいちばん使ってきたのが江戸川区でした。そこで、溶融スラグの資源化率はどの程度か、江戸川区では22年度、どの程度活用したのか、また、放射能問題を受けての今後の区の対応をただしました。
A)スラグ化実績は7工場で7万7千t。このうち、6200tが資源化されており、うち1900tを江戸川区が使っている。割合は31%。今後も対応に変わりはない。
当初、灰溶融施設では、飛灰・主灰の混合処理をしていましたが、それでは施設の安定稼働が図れず、故障・稼働停止を繰り返した結果、昨年、主灰のみの処理に方針転換しました。放射能濃度が国の基準値を超えていない主灰でつくるものだから安全、ということのようですが、その主灰といえども、第1回目の計測では1000㏃近く、最近でも855㏃、717㏃という濃度を検出しています。
23区清掃一組の灰溶融施設から生成される溶融スラグは、JIS(日本工業規格)の規格管理に定める試験方法を独自に実施しているだけであり、JISの認定品にはなっていません。そもそも認定資格を取らないのはなぜ? 道路工事はどこでも実施しているのに、このリサイクル品を自治体が使用したがらないのはなぜ? 結局、多額の費用をかけて生成したスラグは処理困難物になっているのでは? 灰溶融施設での処理費用は55000円/t。通常の清掃工場の処理費用は14500円/t。関西では、重金属が90%飛散するという実験結果に基づき、溶融をやめた自治体もあります。
重金属に加えて、放射能まで凝縮された溶融スラグを、これからも江戸川区の地盤改良工事など、まちづくりにすすんで使っていくのか?
今後、一層慎重な判断を求めます。