午前の部は「子どもたちを放射性物質から守るには」をテーマにすすめられました。原発事故がまき散らした放射能汚染の実態、被曝から子どもを守る有効な手立てなど、いつものことながら、緻密なデータを駆使した説得力のある展開。その一部、今、いちばんの関心事である「食品汚染状況」についてご紹介します。
●汚染されていない作物 「野菜」
・ホコリを被った当初の野菜を除き、ほぼすべての野菜は問題なし。根からの汚染はないことが判っている。
●特殊に汚染されている生物 「コケ・きのこ(特に椎茸)、ブルーベリー・筍、葉の固いイネ・笹・竹」
●幹や枝葉から汚染された可能性のある作物 「果物・栗・梅」
●部分的に汚染されている作物 「米の胚芽部分・小麦」
・米汚染の93%が胚芽部分であったことから、白米であればほぼ問題なし。
●生体濃縮による汚染 「牛肉・卵・牛乳・魚」
・これから特に注意が必要なのは魚。リスクの大きさは、淡水魚、底生生物、回遊魚の順。アユはコケを食べるため、その濃度は何と2080㏃と4桁が出ている。基準は500㏃以下であり、これより高濃度のものは市場に出ていないが、500に近い3桁のものは普通に流通している。汚染リスクの高い海は福島沖と茨城沖。これを示す公式データが公表されているので、日ごろからチェックの上、食材を選ぶ必要がある。産地表示は現在、水揚げ漁港ではなく、漁獲海域を表すこととなっており、購入の際は、要確認。
・鶏や豚は、アメリカ産穀物による配合飼料を使っていることが幸いしている。
食生活で効果が期待できるのが、ぬか漬けなど一部の乳酸菌、麦芽(=ビール)、熟成度の高い味噌。ラットの実験データによるものだそうですが、「医食同源」の考えに基づく伝統的な食に効果がありそう。また、緑黄色野菜は抗酸化反応が高く、免疫力を上げる効果が。今は魚肉系より野菜中心の食事がおすすめ。セシウムはホコリと一緒にまい上がるので、ホコリのたまる部分をきれいにし、ホコリのひどい日は花粉症用マスクで防御を。もうひとつの重要対策は、前向きに生きること。クヨクヨは禁物。確かな情報を得て、常に前向きに生きよう。