汚染されている食品・されていない食品

「放射能×こども×エネルギー」田中優さん講演会より

参加者の多くは、乳幼児連れのお母さんたち。
参加者の多くは、乳幼児連れのお母さんたち。
1日(火)、地元の環境NPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」が主催した「放射能×こども×エネルギー」は、午前と夜、それぞれ「放射能」と「エネルギー」をメインテーマに、環境運動家・田中優さん(同NPO理事)が講演されました。

午前の部は「子どもたちを放射性物質から守るには」をテーマにすすめられました。原発事故がまき散らした放射能汚染の実態、被曝から子どもを守る有効な手立てなど、いつものことながら、緻密なデータを駆使した説得力のある展開。その一部、今、いちばんの関心事である「食品汚染状況」についてご紹介します。

●汚染されていない作物    「野菜」
・ホコリを被った当初の野菜を除き、ほぼすべての野菜は問題なし。根からの汚染はないことが判っている。
●特殊に汚染されている生物  「コケ・きのこ(特に椎茸)、ブルーベリー・筍、葉の固いイネ・笹・竹」
●幹や枝葉から汚染された可能性のある作物  「果物・栗・梅」
●部分的に汚染されている作物 「米の胚芽部分・小麦」
 ・米汚染の93%が胚芽部分であったことから、白米であればほぼ問題なし。
●生体濃縮による汚染     「牛肉・卵・牛乳・魚」
・これから特に注意が必要なのは魚。リスクの大きさは、淡水魚底生生物回遊魚の順。アユはコケを食べるため、その濃度は何と2080㏃と4桁が出ている。基準は500㏃以下であり、これより高濃度のものは市場に出ていないが、500に近い3桁のものは普通に流通している。汚染リスクの高い海は福島沖と茨城沖。これを示す公式データが公表されているので、日ごろからチェックの上、食材を選ぶ必要がある。産地表示は現在、水揚げ漁港ではなく、漁獲海域を表すこととなっており、購入の際は、要確認。
・鶏や豚は、アメリカ産穀物による配合飼料を使っていることが幸いしている。

食生活で効果が期待できるのが、ぬか漬けなど一部の乳酸菌、麦芽(=ビール)、熟成度の高い味噌。ラットの実験データによるものだそうですが、「医食同源」の考えに基づく伝統的な食に効果がありそう。また、緑黄色野菜は抗酸化反応が高く、免疫力を上げる効果が。今は魚肉系より野菜中心の食事がおすすめ。セシウムはホコリと一緒にまい上がるので、ホコリのたまる部分をきれいにし、ホコリのひどい日は花粉症用マスクで防御を。もうひとつの重要対策は、前向きに生きること。クヨクヨは禁物。確かな情報を得て、常に前向きに生きよう。