議会と裁判で異なる江戸川区の答弁

江戸川区スーパー堤防事業取消訴訟

スーパー堤防事業を前提とした「北小岩一丁目東部土地区画整理事業」において、昨年11月、当該地の権利者11名が江戸川区を相手取り、本事業の取消しを求めている訴訟は、23日(金)、第二回口頭弁論を終えました。2月1日(水)の第一回に続き、100人を超える傍聴希望があり、抽選に。東京地方裁判所で最も大きい103号法廷は傍聴者で埋め尽くされました。この裁判で、江戸川区はこれまでの説明を一転させていることに驚きを禁じえません。

区議会での答弁や住民説明では終始一貫「本事業は国のスーパー堤防を前提とし、一体のもの」としながら、口頭弁論では、(と言っても、区側は書面の提出のみ)
「本件事業がスーパー堤防事業と不可分一体のものであることを積極的に強調して住民に説明してきたとの点は否認する」
「本件都市計画がスーパー堤防との共同実施を前提とするものであるとの点は争う」
と、態度を一変。
「本来、スーパー堤防事業実施の有無にかかわらないこと」とまで述べています。これまでと180度異なる答弁に、余りにも不誠実な区の姿勢が改めて浮き彫りになった形です。

よって、「スーパー堤防の必要性・合理性は本件の争点ではない」とする被告(区)の主張に対し、弁護団は、区議会や都市計画審議会(P15〜)の議事録及び公式資料、区発行の「まちづくりニュース」の記事など、事実をもとに、反論書面を提出。法廷では、小島弁護団長が主張の要旨を述べました。が、裁判長と弁護団のやり取りは、傍聴者には理解が難しい・・。当日わかったことですが、事前に裁判長から、口頭弁論を認めない旨通知されていたとのこと。口頭弁論は民事訴訟の原則。憲法の規定する「裁判の公開」に保障されているものです。書面の提出のみで、言葉を発しない裁判ではなく、双方が発言しあうことで、傍聴者にもわかりやすい裁判でなければならないのでは? 私たちが行政に求め続けている情報公開と説明責任を司法の場にも求めなければなりません。

生活者ネットワークのメンバーも原告になっている八ツ場ダム建設への公金支出差し止めを求める住民訴訟では、「官僚政治」同様、「官僚裁判」を見せつけられていますが、今回も、行政側がいかに擁護されているかを痛感します。次回は、5月17日(木)午後2時開廷。区の姿勢、そして裁判所の姿勢に注目。せめて裁判は、公平公正でなければ。