東京23区とことん討論会、今年は江戸川区で開催

22日(水)、タワーホール船堀で「第17回東京23区とことん討論会in 江戸川」が開催されました。23区のごみ削減を目指して、市民・事業者・行政が一堂に会し、フラットな場で意見交換する場として定着しているこの会は、実行委員会形式で運営されています。毎年持ち回りで各区が開催場所となり、東京都、特別区長会、開催場所となる区の後援もいただき、続けてきていますが、地元での開催にあたり、私も実行委員として関わりました。

午前中の基調講演は、「NPO法人大地といのちの会」理事長・吉田俊道さんによる「土~野菜~人 いのちの循環を育む微生物から学ぶ」や、区内のNPO法人「荒川クリーンエイド・フォーラム」事務局長・糸岡栄博さんによる市民提言「河川ゴミに見る消費社会の実態」など。

吉田さんは、幼少期の生ごみリサイクル・元気野菜づくりが地球の生命たちとのつながりを知り、大切に感じる心を育てることを、実践から実証。その語り口から、農業界の綾小路きみまろの異名をとり、あっという間に会場との一体感が生まれました。「生ごみは最高の宝物」「おいしい野菜ほど虫も食う、はウソ」「雑草こそが最高の土をつくる」「微生物とは『もののけ姫』で言う『しし神様』のこと」「きたないものが真にきれいなものをつくる大原則を現代人は忘れている」「すべての命がぐるぐる回ってひとつに溶け合っている」「大地の生きる力とつながろう、いのちを回して元気野菜を自分で育てよう」と語りかけました。「今日から生ごみリサイクルしなきゃ」との思いを抱いた方は多かったハズです。

糸岡さんは、日ごろの活動から得た多くのデータを元に荒川のゴミがいかに社会を反映しているかを解説。昨年の荒川の散乱ゴミワースト3は、ペットボトル、飲料びん、飲料缶と、初めて飲料容器が独占。ペットボトルが飛躍的に増加する一方、たばこのすいがらは減少傾向、レジ袋は増加に歯止めがかかっているなど、世情が如実に表れていることが紹介されました。荒川で回収したボトルの種類は全国の清涼飲料ペットボトル生産量とほぼ一致する結果から、「荒川のゴミは都市の消費社会の縮図」であることが語られました。今後は荒川ゴミの10%削減を目指し、ターゲットや目標を設定し、企業や業界団体、メディアなど社会とコミュニケーションを行うことで発生抑制活動を進めるとの発信がありました。

この他、ナマケモノ倶楽部世話人の高坂勝さんから「大量からちょうどよいスローな社会へダウンシフト」をテーマとした講演もありました。

江戸川ネットでも毎年、船堀橋右岸にて、荒川クリーンエイドを実施。今年は11月11日(日)午前10時開始。清掃活動、水質調査、生物観察、外来種除草など、2時間半の活動です。ぜひご参加下さい。