スーパー堤防との共同実施は「手段」か「目的」か?~「江戸川区スーパー堤防仮換地処分取消訴訟」第二回口頭弁論期日

 20日、第2回口頭弁論が行われました。今回は短い時間しか確保されていないそうで、書面や証拠書類の確認のみで、どちらも陳述はなく、10分程度で終わりました。 

 原告側が出した書面に対し、谷口豊裁判長から「反論は?」と聞かれると、被告代理人からは「ない」と、早期の終結を求める発言が。声が小さく、早口でよく聞き取れませんでしたが、裁判長はそれを受け、「まぁ、そうおっしゃらず」と。 

 その上で、裁判長からは「被告にお願いがある」と。お願いの内容は、「答弁書には、『今後、事業計画の変更が行われる』とあるが、その時期も未定であるとされているので、その内容を承知したい」というもの。 

『今後の事業計画の変更を踏まえても、仮換地指定の効果は変わらない』とあるのは、どういう意味か? 変更されても(法に)抵触しないということか。抵触するがその効果に影響しないのか。少し抵触するとしたら、それをどう修正するのか。明らかにされたい。」と続けました。 

 被告答弁書には、「共同実施決定によって、高規格堤防整備が本件事業の『主要な目的』になった事実はない」「平井7丁目の事業において『目的』として『共同実施』が明記されているのは、本件事業の『都市基盤と住環境の改善を図り、安全で快適な活力ある街づくり*』という目的の達成による効果を高めるための手段のひとつとして高規格堤防との同時実施を記載しているに過ぎない」とされています。 

  原告側はこれを詭弁に過ぎないとし、準備書面において、「そもそも、上記『*』の街づくりの目的達成のために、高規格堤防事業との共同実施が『手段』となること自体ありえない。国の事業として高規格堤防はあくまで治水目的の事業であり、上記の目的との関連性はない。だとすれば、高規格堤防事業それ自体を土地区画整理事業の『目的』としなければ、土地区画整理事業との共同実施によって、盛り土工事を行うことは許されない」と反論しています。 

 さらに、「仮に高規格堤防が手段のひとつに過ぎないならば、これをあえて『目的』として記載する必要があるのか」と疑問を投げかけ、「平井7丁目での事業をはじめ、同様の事業を実施したいずれの区域においても、高規格堤防との共同事業実施が明らかになった段階で、土地区画整理事業の事業計画変更手続きがとられ、『事業の目的』として、『高規格堤防事業との一体整備』が明記されるに至っている。このことから、高規格堤防との共同実施が土地区画整理事業の主要な『目的』の中に組み込まれることは明らかである」と断じています。 

 裁判長からも、「事業目的が変更されるなら、平井7丁目のときと同じになるのか、違うのか」と問われ、また、「造成計画や地積の変更がどう影響するのか」といった疑問も含め、被告は、これらに答える書面を7月末日までに提出することになりました。 

 次回期日は、9月5日(金)午後1時40分から、東京地裁803号法廷で行われます。

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