地質調査の十分な検討と公開を~上篠崎スーパー堤防国交省レク

 11日(月)、参議院国土交通委員の山添拓議員が設定された国交省レクチャーの場に、本西みつえ議員とともに同席させていただきました。内容は上篠崎地区でのスーパー堤防事業を前に実施された地質調査結果について。北小岩1丁目東部地区で盛り土をやり直すことになった事実からも、事前ボーリング調査の丁寧な実施、丁寧な分析は極めて重要です。

 上篠崎地区では平成3年に堤防3ヶ所、平成14年に計画地区内3ヶ所、平成20年に堤防2ヶ所、平成26年に地区内3ヶ所、そして追加で1ヶ所、計12ヶ所でボーリング調査を実施していますが、山添議員が結果公開を求めたところ、すべての柱状図が出され、今回のレクとなりました。説明されたのは、水管理・国土保全局治水課流域減災推進室の課長補佐さん。

 「(地盤が)やわらかい部分が少しある。特に5mから9mの層はシルドな部分となっている。この結果をもとに対応を検討中であるが、報告書はまだない」

 国と区の基本協定によれば、平成30年度から盛り土工事を始めるとされています。立ち退きを迫られている地元住民の不安や心配をよそに、3年前に終了している調査結果を未だ「検討中」で「結果がいつ出るかは示せない。迅速に行う」。その検討は「江戸川河川事務所で」なされており、「地震時の液状化、盛り土の地すべりなどを検討。起きそうなら起きない対策を施す」。

 当地では、区画整理だけでなく道路、緑地、また都立篠崎公園の高台化など複数の事業が一体的になされる計画ですが、それぞれに進捗が異なる中で、いつ、どのように盛り土を始めるのか。回答は「調整がつき次第始める。いつからとは現状では言えない」。

 地質の専門家からは「泥の軟弱層であることは瞬間的にわかる。泥は地盤沈下がなかなか収まらない。野田のスーパー堤防は10年間寝かした。なぜ判断できないのか。対策の必要性を認識しているのか」との厳しい指摘が。「より短くできるよう検討する」との回答にとどまりました。確かに柱状図を見ると、北小岩に比べ、軟弱層が多いことが素人にもわかります。

 江戸川区が平成28年4月、区議会建設委員会に提出した資料にある「スーパー堤防事業費60億円」についても、その数字を把握していない様子・・。
 現地を見たこともないであろう有識者を集めて、「高規格堤防の効率的な整備に関する検討会」を拙速に行う一方で、本事業にもろに影響を受け、不安を抱く計画地の住民の思いは一顧だにされていません。

 平成28年度から始まっているという調査検討業務の内容について、また、土質調査のデータ結果についても、改めて請求がなされました。

 スーパー堤防事業は単なる堤防事業ではなく、その上が居住地になる以上、堤防としての盛り土だけでなく、宅地としての安全までを担保するのが国の責任です。調査検討業務を十二分に行い、その内容を公表すべきであり、住民が納得する適切な対応策をとることが必要です。