国交省、「越水」対策としての河川堤防強化技術検討へ

「第4回江戸川防災勉強会~台風19号の水害に学ぶ・大規模広域災害の時代、求められる対策とは」は、新型コロナウィルス感染が国内でも広がりを見せていることを受け、感染拡大防止の観点から中止することになりました。水問題研究家・嶋津暉之さんには「スーパー堤防と八ッ場ダムは東京を守ったか」、元建設省土木研究所次長・石崎勝義さんには「今こそ破堤を防ぐ堤防整備を」をテーマにお話しいただく予定で、江戸川・生活者ネットワーク「それゆけ!レポート」やホームページでもご案内してきたところですが、どうぞご理解いただきますようお願いいたします。

さて、市民がこのテーマでの勉強会を行うべく準備を進めていた中、国交省は2月14日、「令和元年台風第19号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会」を立ち上げました。第2回は3月に「危機管理としての緊急的な河川堤防の強化方策案」について議論、第3回は5月で「中長期的課題の整理」を行い、「とりまとめ」を出す予定です。委員はこちらから。

堤防調査委員会(資料1-3)によれば、河川決壊12ヶ所すべての主要因は「越水」であり、復旧にあたっては、原形復旧に加え、「天端舗装や必要に応じて裏法尻補強を実施」とあります。同委員会は「今後、危機管理的な観点で実施可能な種々の対策の検討が必要」「危機管理型ハード対策については、より効果的な対策を引き続き検討すること」としています。

そして、

これまで理由も示されないままお蔵入りとされ、指針から削除、河川事務所ホームページからも消えていた「フロンティア堤防」「アーマーレビー」といった耐越水工法に、ここへきてようやくスポットがあたり、検討会資料に明示されるに至っているのです。こうした堤防強化策がもっと早く実施されていれば、ここまでの水害を発生させることはなかったと思うと、遅きに失した観は否めませんが、ようやくこの視座に立ち、堤防強化をすすめていくことはもちろん歓迎すべきことです。

さらに、

土木業界の動向と課題を発信する「日経コンストラクション」2月24日号では「消された堤防」を特集。「性能見えぬスーパー堤防」「もう越水堤防から目を背けられない」などのテーマで堤防事業の課題を20ページにわたり掲載しています。

官も民も「スーパー堤防」という、実は治水ではなく、まちづくりに寄与することを第一義とするバブル期の大型公共事業に固執することなく、市民が求めていた「耐越水工法」により、まっとうな治水へと舵が切られることを願ってやみません。