今も行われる「スーパー堤防事業」に驚きの声~計画予定地・北小岩で

5月19日(日)、北小岩コミュニティ会館では、「第16回サークル発表会」が開催され、ダンスや武道、音楽、手芸、彫刻、麻雀など、同館をベースに活動されている19団体が活動発表を行いました。

江戸川区内で最初に「スーパー堤防事業」の問題に気付き、長年地域活動を行い、江戸川区議会に陳情活動を続けている「スーパー堤防・街づくりを考える会」は、今年も「学習」発表として参加。私も活動の応援に伺いました。

今年は北小岩のすぐ下流にあたる篠崎地区の「スーパー堤防事業」の現状についてパネル展示したところ、立ち止まって写真に見入り、さまざまな問いかけをされる方が大勢いらっしゃいました。写真のインパクトのみで、細かな説明書きや資料配布はせず。それがかえって良かったのか、多くの方々に関心をお持ちいただき、お話することができました。

 

「バスの中から篠崎公園の工事を見ているが、これがスーパー堤防事業だとは知らなかった」

「こんなに緑がなくなってしまっているとは・・」

「スーパー堤防ってもうやらないことにした事業ではないのか」

「北小岩で事業反対の赤い幟を見かけなくなったので、もうなくなったものと思っていた」

といった声がたくさん聞かれ、事業対象エリアの住民の方であってもこのように思われていることに、こちらも改めて驚くことになりました。

予定地にはご高齢の方のお宅が一軒、今も生活を営まれている。上が従前、下が現在。豊かな緑はすっかりなくなった。

住民の生活権や財産権を脅かす本事業の問題点は、自身が当該住民にならなければわからないまま、ということなのでしょう。「スーパー堤防・街づくりを考える会」も2006年、自分たちの住まいが対象エリアに入っていることを知り、「1800棟の住民を立ち退かせてまですべき事業なのか」との疑問から調査・研究を始められ、今日にいたっています。(同会発行のニュースは「東京の水連絡会」のHPからすべて見ることができます。)

会場には斉藤区長もお見えになり、変わり果てた篠崎の様子をご覧いただきながらお話することができました。

・地球沸騰化も人口減少も考えになかった時代の堤防事業は見直すべきではないか

・まちづくりと合体することで住民の負担が過大となっているため、堤防は堤防として強化すべきではないか

・有効な堤防工法があることから、今後は住民や専門家を交えて、スーパー堤防事業とその他A案、B案などを比較検討して決めていくプロセスが必要ではないか

などお伝えし、区長は最後まできちんとお聞きくださいました。

江戸川・荒川・多摩川・淀川・大和川の5河川下流域全120kmで実施するということになっている本事業。下流域は人口密集地であり、多くの当該住民の方々が重い「負担」「被害」に苦しむことになるのではないでしょうか。

少しでも思いが通じればと願うばかりです。