知って防ごう!増加する「子宮頸がん」

2008年8月31日 13時09分 | カテゴリー: 医療・保健

正しい知識を持ち、女性が主体的に対策を講じるために

若い女性のがん死因の世界第2位「子宮頸がん」が日本でも20〜30代で増加しています。1980年頃は50歳以降の発症が多かったのですが、90年代後半からは30代に、近頃は20代と低年齢化しているのです。死亡率は高く、国内で毎年8000人ほどが診断され、2500人もが亡くなっています。医療環境がすすんでいるはずの東京都。しかし、この「子宮頸がん」の死亡率は全国5位という状況で、一昨年は511人もの女性が命を落としています。実は「乳がん」の死亡率にいたっては約20%と、10年以上にわたって全国ワースト1。東京都は特に女性特有がんの予防に力を入れることが必要です。

女性の健康、医療などについて考える患者会「NPO法人ブーゲンビリア」理事長の内田絵子さんにもお話を伺い、「子宮頸がん」予防について考える機会を持ちました。

「子宮頸がん」の最大の発病原因は性交渉によるウィルス感染。男性が持っているヒト・パピローマ・ウィルス(HPV)により、8割近くの女性が一生のうちにHPVに感染するものの、感染した女性がすべて発症するわけではもちろんありません。ほとんどの既婚女性の体内にこのウィルスが潜んでいることから言えることは、誰にでも発病の危険があるということ。しかし、原因はウィルスと判明している以上、予防できる唯一のがんでもあります。まずは、正しい知識を持ち、きちんと検診を受けることで防ぐことができるのです。

一般に「子宮がん検診」というと「子宮頸がん」のことですが、みなさんは定期的に受けていますか? 実はかく言う私も、気になりながらももう十何年も受けていません。区では、きちんと検査体制を敷いているのに。特に未婚の若い女性などは、自分には無関係と思っている方も多いのではないでしょうか。

「子宮頸がん」の検診率は、性教育の普及に比例すると言われます。スウェーデン90%、アメリカ89%に対し、日本はわずか22%。東京都に限れば何と8%という状況です。検診率が低いと判っていながら、これまで特段対策が打たれてきませんでした。
欧米が学校教育の中で性教育に力を入れているのはご存じの通り。まさに、人の一生に関わる教育であり、生きる力のもととなる知識を誰もが平等に身に付けるのは当たり前のことです。「寝た子を起こすな」と言わんばかりに、児童生徒に性への正しい情報を伝えることをタブー視した結果、先進国で唯一エイズ感染が増え続けていること、防げるはずのがんが増えている事実を重く受け止め、都は性教育を充実させることや検診率を上げることに一刻も早く取り組むべきです。

国内でも検診率の高いところもあり、富山県は60%以上と大健闘。特定の食べ物を買うとその一部が「ガン基金」にまわるしくみをつくっている島根県など、地域コミュニティの中で、単なる検査通知のお知らせにとどまらない、個々への高い意識啓発がすすんでいる成果が伺えます。

予防医学の観点から、HPVに対するワクチンを導入、公費を投入して10代前半の女子に投与する国はアメリカ・イギリス・ドイツ・オーストラリアなど100ヶ国にも及びます。ワクチン予防が最大の防御とも言われる中、国をあげてこうした取り組みをすすめるとともに、やはり、自分の健康を守るために「知って防ぐ」ことへの強力な意識啓発を、自治体は今、しなければなりません。

*江戸川区では、20歳以上の女性を対象に、指定医療機関において、2年に一度「子宮がん検診」を実施。「乳がん検診」は30歳以上を対象に、タワーホール船堀6階の医師会検査医療センターで。いずれも無料。