申立人の公平性と審査の円滑性により、都市計画審議会での陳述ならず~スーパー堤防と一体の土地区画整理事業

2014年9月4日 11時35分 | カテゴリー: スーパー堤防, まちづくり

 北小岩1丁目東部土地区画整理事業の事業計画変更案に関する議題が上がった「第206回東京都都市計画審議会」を3日、傍聴しました。傍聴定員は15名。往復はがきによる事前申し込みは36通で抽選となりましたが、当日傍聴者は10名でした。 

 上記に関しては、①議題7146号「事業計画変更に伴う意見書の審査について」 ②議題7147号「意見書の審査に係る口頭陳述の聴取等について」の2件でしたが、①は②を行ってから、ということで継続審査に。②について、22名(23通)の意見書提出者のうち、15名が口頭陳述を求めており、その取扱いをどうするかについて諮られました。口頭陳述は、行政不服審査法第25条第1項及び同法第48条に規定されており、土地区画整理法第55条第5項は、これを準用する、としています。 

 都は、申立者の公平性、審査の円滑性により、審議会での意見聴取は難しいため、聴取の日時、場所等を審議会会長が決定した上で行服法31条により、審議会幹事(都の課長級職員)に聴取させ、その記録を整理した書類を事前に委員に配布することで十分な検討を行い、審議会に諮ることとする旨を説明。これについて審査されました。 また、変更の概要として、事業期間が「平成29年3月31日まで」と、1年延伸されたこと、国との基本協定により、区施行の区画整理事業についても国が20億円負担することとなり、区の単独費が軽減されたことなども説明されました。なお、「資料にはない」と前置きした上で、平成21年の都市計画決定から今日までの経過についても説明がありました。

 かつて、羽村市の区画整理事業で350人が口頭陳述を求めたときは、さすがに難しいと思ったという両角みのる委員(都議)は、「今回は15名であり、審議会での意見陳述は可能。法は25条『審査庁は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない』が基本であり、31条『必要があると認めるときは、その庁の職員に・・意見の陳述を聞かせ・・』よりも尊重されなければならない。時間的制限があると言うのであれば、たとえば無作為抽出で口述人を選定するなどし、審議会の場でできる限り口述させるべき」との意見を。 

 また、松村友昭委員(都議)の質問により、都内の区画整理事業に関し、口頭陳述の申し出があったのは過去10年で4件であり、2件は100名を超えたため職員が聴取(うち1件は事業計画案縦覧後に126人が口頭陳述を申し立てた本件事業)、あと2件はそれぞれ1名であり、審議会で聴取した、との事例が明らかになりました。同委員は、「職員による聴取も一人5分と聞く。15人×5分なら審議会でも行えるのでは?」と再度質問しましたが、「申立人の公平性、審査の円滑性」と、同じ理由により、「困難」との回答。さらに、権利者からの申し立ては「2件」であることを答弁から引き出し、「権利者に限ることについてはどうか」と投げかけましたが、「一部に限っては申立人の公平性は保てない。一律に対応することとしている」との回答が。 

 議長(近藤茂夫会長・一般財団法人建設経済研究所会長)もお二人の提案を審議会で検討するなどの進行はせず。他に意見を述べる委員もおらず、賛成多数で提案通り決定されました。 

 本審議会の委員は現在33名(「東京都都市計画審議会条例」規定では35名以内)。昨日は23名の出席でしたが、他の議案も含め、発言したのは都議会議員3名のみ。「東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例」によれば、委員には「1日3万5400円を超えない範囲」で報酬が支払われています。都市計画は関係住民にとっては生活をも左右される重要問題。委員には事前に議題資料が配布されているようですが、それを検討しても、質問・意見のひとつも出ないのでしょうか? 

 審議会条例の規定では、委員構成は、学識経験者、関係行政機関、区市町村長の代表、都議、区市町村議会議長の代表のみ。都知事が判断するにあたり、参考となるべき意見を述べる権限があるわけですが、現状その機能は十分発揮されているのかどうか。都民公募委員採用の検討も必要です。 

 抽選を経て、当日都庁まで傍聴に出向く者への配布書類は議案一覧のみ(他に傍聴席案内・傍聴時の注意事項・途中退室時の出口)。パワーポイントは一緒に見ることができますが、議案資料はありません。審議会委員についても、すでに終了した回の委員はHPで見られますが、最新の名簿は情報公開請求が必要なのだそう。あて職が多いため、今回も委員が複数代わっていました。都民の基本的な知る権利にも大きなバリアが。こちらも改善が必要です。なお、当日資料の抜粋が審議会後、HPにて公表されています。ちなみに、江戸川区都市計画審議会は傍聴者にも資料配布がなされ、区民公募委員も5名。氏名もHPで公表されています。

■本事業が都市計画決定された「平成21年度第1回江戸川区都市計画審議会」議事録はこちら(P15~)

■事業認可にあたり出された意見書が審査された「第192回東京都都市計画審議会」議事録はこちら(P3~)