特定健診受診率を上げるために

2011年度予算特別委員会報告④

区における、2009年1月の高額医療費(月30万円以上)の全体件数に占める割合は1.7%ですが、その額は医療費の47.3%を占めています。この年度のデータでは、年額1千万円以上かかるケース9件の半数が、生活習慣病が原因です。

区は、こうしたケースを抑えるためにも、健康状態の変化に早期に気づき、病気を深刻化させないために、特定健診を進めています。国は、この特定健診の受診率を2012年度には65%まで上げるという目標を設定しています。

区の現状は、65歳から74歳までの受診率はほぼこの水準になっていますが、40歳から64歳では30%台。特に40代、50代の男性が低く、この世代の女性が40%台であるのに対し、20%台と低迷しています。こうしたところへの対応として、区では夜間健診日を設けたり、受診期間を3ヶ月から4ヶ月にする、また電話かけなどで健診を促しています。しかし、夜間や日曜日に受診できることを知らない人も多くいるのが現状です。

64歳以下の特定健診は、タワーホール船堀にある区の医療検査センター1箇所で受けることになっており、これが受診率が上がらない理由のひとつとも考えられます。同センターは優れた機能を持っており、健診・保健指導だけでなく、がん健診も1日で済ませられるという体制をとっていますが、65歳以上の受診率が高い水準にあるのは、やはり住まいの近くの指定医療機関で実施できることも大きな要因のひとつと思われます。

医療検査センターでの夜間・休日体制の周知とともに、64歳以下については、センターと地域医療機関、いずれか選択できるような試みも検討すべきと意見を述べました。