義務教育充実のために

ネットの教育費用調査チーム始動

 区立中学3年生保護者会での進路指導についての説明で、こんな話がありました。
「業者テストは学校で実施しないよう強く言われているが、それでは進路指導に支障をきたすので、校長先生に頼み込んで3回ほど業者テストを実施します。」
 
 私が参加している東京・生活者ネットワークの「教育費用調査チーム」で課題整理をしたときに、やはりこのことが話題になりました。高校入試については、中学はかつてのようにきめ細かい指導がなく、現実の入試制度に対応できていない、というものです。入試対策としての学習や入試に関する情報、志望校決定の参考とするための客観的データは学校だけでは不十分なのが実態で、だから多くの人がお金をかけて塾通いをする状況があります。
 高校入試については、すでに学校と塾の棲み分けができているのかとも疑いたくなりますが、やはり中学校の中にしっかりと指導体制が敷かれるべき。現場の先生方も疑問に思っていらっしゃるから、冒頭の発言になったのでしょう。業者テストについては、指導のために必要なものとして、校長に頼み込まなくても普通にできるようじゃなくちゃ。
 先ごろの新聞報道で、定年した先生方が今後、公立学校の補習を請け負う、という記事がありました。塾に行かなくてもいいように、ということなのでしょうが、まずは正規の授業を充実させたり、必要十分な進路指導をする体制づくりが先決なのでは?

 格差社会なんて現象が取りざたされる中、生活者ネットワークは、義務教育充実のための政策をつくるため、アンケート調査を実施します。現在プレ調査中で、まもなく広く聞き取り調査を行っていきますので、その時にはどうぞご協力くださいますよう、お願いします。