卒業式に思うこと

「平和」と「共生」の21世紀に

→地域住民の寄付により、東京大空襲で焼け残った区の旧文書庫脇に、平成3年に完成した「世代を結ぶ平和の像」。幼な子を抱く母親の手は、多くの犠牲者を出した旧中川に向けられている。(小松川3丁目)

卒業式のシーズンです。3月10日には、子どもの高校の卒業式がありました。3月10日といえば「東京都平和の日」。平和国家日本の首都として、国際秩序の形成と恒久平和の実現に貢献する責務を深く認識して、平成2年に制定されたものです。江戸川区でも、毎年、小松川さくらホールで戦災犠牲者追悼式が行われていて、江戸川ネットもスタッフとしてお手伝いをしています。

わが子が通っていた学校は、明治時代には陸軍士官幼年学校の予備教育を施していました。そんな歴史を持つ学校を巣立つ18歳の学生服を見つめながら、太平洋戦争で沖縄の海に散った少年飛行兵の最年少は17歳だったことに思いをはせ、「平和」を思わずにいられませんでした。戦争を繰り返してきた20世紀が「戦争の世紀」なら、21世紀はその過去に学び、「平和の世紀」にしていかなければなりません。次代を担う若者たちの後ろ姿に向かって、「21世紀のキーワードは『平和』と『共生』だよ」と心の中でつぶやきました。

区内ではすでに区立幼稚園の卒園式が終了。20日が中学校、22日が小学校の卒業式です。子どもたちの真剣なまなざし、純粋な涙、無邪気な笑顔に接するとき、62年間続いてきた「平和」の尊さを改めて思い、持続していく責任を強く感じています。

私たち江戸川ネットは、「平和」という地球規模のグローバルな問題にも、地域の仲間とともに、常にローカルからアクションを続けていきます。