プラスチック問題と自治システムについての市民提言を区長に提出

23区プラスチック懇談会のメンバーとともに

→中央の多田区長に提言内容を説明。右から大島さん、庄司さん、中井さん、左端が私。区環境部長、担当係長も同席。このあと、須賀区議会議長も訪問。
 

  私たち生活者ネットワークもともに活動する「23区プラスチック懇談会」は、長年ごみ問題、環境問題に取り組んできた23区の多くの市民・団体で組織されています。

 活動のきっかけは、これまで「焼却不適物」ゆえに「燃やさないごみ(不燃ごみ)」として扱われてきた廃プラスチックが「埋立不適物」となり、実質上、プラスチックの焼却が解禁されたことです。現在、廃プラスチックについては、江戸川区のように資源として収集する区がある一方で、可燃ごみとして収集する区があるなど各区ばらばらの状況。全量焼却をしている区は9区もあります。

 発足はサーマルリサイクルが本格実施となった2008年。23区全体で廃プラスチックの資源化なき焼却を止め、容器包装リサイクル法に則った廃プラスチックの資源化を求めるゆるやかなネットワークとして、多くの人々に呼びかけ、これまで勉強会や講演会、見学会などを開催してきました。廃プラスチックの取り扱いについて検討を積み重ねてきた結果、ごみ問題から、環境負荷をはじめコストや地方自治の問題点など、私たちの社会が抱える根本的な問題が見えてきました。そこで「ごみ処理から自治を考える〜プラスチック問題と東京23区の自治システム」と題した提言にまとめ、各区区長及び議長、東京都、東京23区清掃一部事務組合(以下、清掃一組)に直接提出する活動をすすめています。

 今日は、本懇談会世話人の中井さん(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク)、庄司さん(全国都市清掃会議元調査部長)、大島さん(東京都廃棄物審議会元委員・東京23区とことん討論会実行委員長)とご一緒に多田区長を訪問しました。多田区長は23区区長会会長であると同時に清掃一組のトップでもあり、清掃リサイクル事業に関しては高い見識を持たれています。メンバーの思いに熱心に耳を傾けた区長は「もっともなこと」とした上で、「清掃事業は合理性が大事。この10年で実質5つ分の清掃工場を減らしてきた。区長会会長の立場だが、他区のことについては内政干渉になってもいけない。みなさんのように市民側から大きく声を上げることはとても有効だ。熱心な活動を展開してくださっていることをありがたく思う」と話されました。

 「全区が等しく分別収集に取り組む」「ごみの自治の確立」に関する今回の提言を今後どう生かしていくのか、意見交換の集会が5月10日(月)午後開かれます。基調講演は事業仕分けの必殺仕分け人・福嶋浩彦さん(前我孫子市長)。江戸川区環境部をはじめ、23区の担当者も出席します。ぜひご参加ください。