認めたのは「同意権限」~江戸川区スーパー堤防仮換地処分取消訴訟控訴審判決 

2016年12月21日 20時12分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

江戸川区スーパー堤防事業仮換地処分取消請求控訴事件は、20日、菊池洋一裁判長より「棄却」の判決が言い渡されました。判決要旨も語られず。いつものことながら、何ともあっけない幕切れ。

本件の争点は2つ。ひとつは、国との共同事業になったにも関わらず、区が単独で行うとした土地区画整理事業計画の変更をせずになされた仮換地指定は違法である点。もうひとつは、国が盛り土する法的権限が明確でない点。

4月20日になされた一審判決では、国が盛り土する法的権限を、土地区画整理法100条の2「管理」に置き、「管理」に「工事」は含まれるため可能である、としていました。これに対し弁護団は、それでは80条にある「工事」規定との整合が図れない点を強く主張、その問題点を明確に指摘してきました。結審での主張はこちらから。国をも相手取った第三次訴訟、江戸川区スーパー堤防差止訴訟でも同様の主張を。こちらから。

菊池裁判長も、さすがにこの明快な主張を無視することはできず。「100条の2に規定する「管理」には、区整法80条の規定する『施行者の行う土地区画整理事業の工事』の権限を含まないことは控訴人らの主張のとおりである」と認めることになりました。

また、一審で「取消しを求める法律上の利益がない」と判断された原告適格の件についても、控訴人側の主張が全面的に認められました。「従前の宅地を権原に基づいて使用収益することができた者は、仮換地指定により従前の宅地の使用収益ができなくなる法律上の不利益を被るのだから、これを覆すために仮換地指定の取消しを求める法律上の利益を有する。(適格を問われた当該人も)使用権原を有していたから、取消しを求める法律上の利益を有するものであり、本件建物の除却済みであっても、変わりはない」。ことはこれほど単純でありながら、区は基本的判断を欠いていたと言わざるをえません。

先述の「管理」については、上記を認めた上で、新たな見解が。「土地の保存、利用、改良等の権限を包含するなど区整法独自の広い概念」がそこにはあり、「区がその管理のひとつの態様として国が盛り土工事を行なうことに同意する権限も有している」。よって、「80条との整合に欠けたり、存在意義を没却するということはできない」と展開。控訴審では、同じ100条の2を根拠としながらも、一審判決による「法的権限あり」ではなく、「同意権限あり」としたのです。「工事権限」は徹底的に回避された格好です。「同意」については、住民の同意こそ重要なはずですが、これには一切触れられず。

行政は、法律に基づいて適切に運営されなければならない。司法は、行政を守らんと、何が何でもその事実と法律を結びつけなければならない。そんな苦しい背景が浮かび上がるよう。

控訴審判決が認めたのは「盛り土の同意権限」。ならば、肝心の、国がスーパー堤防事業を行うことができる法的権限とは?

その答えは「江戸川区スーパー堤防差止訴訟」判決で明らかにされるのでしょうか?

判決期日は、2017年1月25日(水)午前11時。東京地裁103号大法廷で言い渡されます。どうぞ傍聴にお出かけください。言い渡し後、報告集会も予定されています。