無駄な公共事業の復活にNO!~「公共事業徹底見直しを実現する集会」

16日(金)午後、衆議院第一議員会館で開かれた「公共事業徹底見直しを実現する集会」に集会実行委員として参加、「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」事務局長とともに進行を担当しました。午後3時開会と同時にみえた代議士は「衆議院議員」、解散がなされたあとに駆け付けられた方は「前衆議院議員」とご紹介することになる、緊張感漂う一日でした。参加者は北海道から沖縄まで160名。

国交省正門前での要請行動には70名が参加。要請文の渡し方について、担当職員との押し問答も。

以前もお伝えした通り、消費税増税法附則第18条第2項を根拠に、向こう10年間で200兆円規模もの予算を公共事業に使おうという法案が出されるなど、公共事業バラマキ政策が提案される中、ダム、砂防ダム、幹線道路、整備新幹線、リニア新幹線、湿地、スーパー堤防など、無駄な公共事業の中止を求めて全国で闘っている運動団体が団結して、この状況に立ち向かっています。集会の実行委員会は9団体。賛同団体は全国で113団体にのぼります。江戸川区からは「スーパー堤防取消訴訟を支援する会」が実行委員会構成団体に名を連ねています。

 基調講演は、無駄な公共事業の訴訟に数多く携わられている日本環境法律家連盟副代表の市川守弘さん。札幌を拠点に活動されていますが、前日は九州、そして東京と、全国を駆け回っていらっしゃいます。原告勝訴が困難な行政訴訟でも原告を勝たせる弁護士としても知られています。

国会による公共事業のチェックができなければ財政民主主義はない。なぜ、チェックできないのか? 高速道路建設は国幹会議を経ず、大臣の裁量に委ねられ、ダムについて、国交省のマニュアルは無視。林野行政はさらに問題。官僚が露骨に自分たちの取り分を要求する。憲法の枠外の政治が行われている。これを打破するには、徹底した情報公開、議員の学習、監視するNGOの育成が必要、と提起されました。

 日本弁護士連合会の公害対策・環境保全委員長も務められた鈴木尭博さんからは、日弁連がこの6月に発表した「公共事業改革基本法(試案)」について報告がありました。鈴木さんはこの試案策定に中心的に関わられています。

試案には、①情報公開の保障②市民参加の保障③環境保全優先性④国と地方公共団体の役割分担⑤審議会の改革⑥独立・中立の「第三者機関」のチェック⑦不正行為の禁止⑧「費用便益分析」の確立⑨公共事業の中止に伴う措置⑩争訟手続きの確立、が盛り込まれ、ぜひとも実現させたいものです。そのためには、①ムダで有害な公共事業の中止を求める運動を、訴訟提起も含め、全国各地で粘り強く展開する②ムダで有害な公共事業に対する批判的な世論を大きく盛り上げる③公共事業の法制度改革のための国会内の動きを作り広げる ことだと結ばれました。 

弁護士法1条には「基本的人権の擁護と社会正義の実現」「法律制度の改善に努力」が謳われており、日弁連では1975年、公共事業による環境破壊に関する決議を採択以来、問題提起を続け、今回の試案に至っています。 

集会には、東京都知事選挙に立候補を表明された弁護士・宇都宮健児さんも駆け付けられました。完全無派閥の弁護士として初めて日弁連会長になられ、年越し派遣村をはじめとする人権擁護活動、東日本大震災の被災者支援、そして脱原発に取り組まれていることはすでに有名です。 

集会後、官邸前の脱原発デモに参加しましたが、ここでも宇都宮さんがマイクを握られていました。テント村の市民の方々が歌っていたご自身のための替え歌を披露。

♪東京なのに ウツノミヤ。弁護士なのに ケンジ♪

「これをシュプレヒコールしてください」と自ら呼びかけられましたが、

♪東京なのに (東京なのに) 弁護士なのに (弁護士なのに)♪

のフレーズのみで、ご自身のお名前をおっしゃらない、その謙虚さがかえってほほえましいムードを醸し出していました。

 生活者ネットワークの小旗を振りながら参加していたら、「どちらのネットですか?」と声をかけられました。子どもの権利条約の理念を地域に根付かせようと活動する「江戸川子どもおんぶず」の代表にも遭遇。誰が首相になっても、この運動も粘り強く取り組まなければなりません。

重要な選挙が目白押しですが、無駄な公共事業の見直しをすすめる視点も大事なポイントに。

集会の模様をジャーナリストで政策エッセイストのまさのあつこさんが詳しくリポートされています。こちらからどうぞ。