司法でも忖度?~江戸川区スーパー堤防差止等訴訟控訴審不当判決①

2019年7月17日 01時36分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

16日(火)午後4時、東京高等裁判所101号大法廷において、「江戸川区スーパー堤防差止等訴訟控訴審」の判決が都築政則裁判長より言い渡されました。本HPでお伝えしてきた控訴人の主張はすべて退けられる結果となりました。

被控訴人席には、7回にも及ぶ弁論期日を通し、18人もが窮屈そうに居並んでいましたが、判決当日は江戸川区の関係者とみられる4人のみ。国はこの重大な局面をなんと心得るのか、と思わずにいられませんが、実は、一審判決のとき、被告席は無人で、驚かされたことを思えば、いくらかマシになったとも言えるのでしょうか。

そして、これまでと異なる事象がもうひとつ。

「棄却」を言い渡したあと、都築裁判長からその理由が丁寧に説明されたのです。時間にして約7分間。かつての判決言い渡しはわずか5秒程度で、理由を述べるなどなかった過去に照らせば、行政を相手取った裁判においては画期的で、かつ異例とも言えるできごとです。そもそも至極まっとうなことであり、こんなことでありがたがる必要もないのでしょうが、そう思わせるほど、裁判所というところは市民の常識では考えられないことが今も起こっているところとも言えます。

一審判決の時に、事前に申し合わされていた、裁判長による判決要旨読み上げが突然反故にされた、その埋め合わせということか。はたまた、通常はしなくても済む、判決に至った説明をあえてすることで、裁判官としての矜持を示されたのか。過去の裁判で、取り付く島もない態度を見せつけられてきた市民には歓迎すべきことではありました。

この日も雨の中、83名の傍聴者が駆け付け、弁論期日すべてにおいて、ほぼ満席の傍聴者が詰めかけたことも裁判のありように風穴を開けさせた・・と思いたいところです。

主な判決内容は次のとおり。

<国が盛り土できる法的権限> 国は、盛り土工事を行う権限を土地区画整理事業の施行者である江戸川区から付与されたと言える。よって、国が法的な権限なく行ったものと言うことはできない。

<盛り土の地盤安全性> 土地引き渡し条件の地盤強度に満たない地点はあったが、国は対策工事により強度を満たし、盛り土の沈下の収束も確認していることから、不同沈下等が生ずるおそれがあるとは言えない。よって、危険な地盤の上に住むことを余儀なくされ、生命・身体等を害される現実的なおそれがあるとは認められない。

<スーパー堤防の公共性・必要性> 二度の移転など、居住の自由が一定程度制約されたと言えるが、こうした事態は法律上予定されている。地球温暖化の影響等も考慮すれば、本件施工区域付近において超過洪水が発生し、堤防が決壊する可能性は否定できず、堤防が決壊すれば甚大な被害が発生するものと認められるから、必要性・公共性がないとは言えない。施行者の判断が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用するものであるとは認められない。本件各事業の共同実施が国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできない。

説明された、そのこと自体は大いに評価するものですが、その中身はと言えば、国や区の主張をなぞった格好。文書提出命令や証人採用などの丁寧なプロセスにより、伏せられていた事実や矛盾を引き出した、その内容とはかけ離れたものでした。