生存権の保障を今~憲法を守る

緊急事態下の憲法記念日に思ったこと。

それは、自民党が憲法改正を進めるにあたり、憲法に「緊急事態」条項を新設し、改憲の足掛かりにしたいと目論んでいること。懸念される点については、これまでもお伝えしてきたとおりです。こちらから。

現状の自民党改憲案重点項目は「自衛隊明記」「緊急事態対応」「合区解消・地方公共団体」「教育の充実」なのだそう。特に「緊急事態」は大規模自然災害が多発する今日、災害を例に挙げることで国民の理解を得やすい、と考えていた節があり、さらに今回の新型コロナウイルスによる「緊急事態」を関連付け、安倍首相は憲法記念日のメッセージとしては初めて、昨日「緊急事態条項新設を」と呼びかけました。主権者である国民の合意もないまま、法に支配される立場の人がこうした呼びかけをすること自体問題と指摘してきたところです。こちらから。

改憲案はあちこちから批判を受けてか、微修正されつつ現在に至っていますが、「緊急事態」については、国会の審議なしに、政府による権利制限がなされることもありえる内容であることに変わりはありません。

国民が自粛を続ける中、今年は例年のような憲法集会もなされませんでしたが、改憲の動きは自粛どころか前のめり。今は改憲論議より、新型コロナウイルスの脅威により生死をさまよい、また、休業・失業等により生活もままならない人々に生存権を保障する、その一点に知恵とお金を使ってほしいと思います。もちろん、それこそ不要不急の事業の予算執行については見直しを。